
由緒と歴史
天平13年創建、1200年以上の
歴史を持つ真言宗智山派の古刹
1200年以上続く
祈りの歴史
慈林寺(慈林薬師)宝厳院は、医王山と号する真言宗智山派のお寺です。當山は、元文4年(1739)の縁起によれば、天平13年(741)聖武天皇の勅願によって、光明皇后の眼病平癒を祈るために行基菩薩が薬師仏を安置する薬師堂を建立したことが開創の起源とされています。
その後、文徳天皇の代に再興し、清和天皇の代に寺領を拝領したとされています。この3人の天皇から勅願を受けたことから、「三勅願寺」とも称します。また、當山に現在伝わっている薬師仏は、慈覚大師円仁が一刀三礼して彫ったものと伝えられ、普段は秘仏とされています。
寛永19年(1642)には、徳川幕府より寺領30石の御朱印を薬師堂領として拝領し、中本寺として周辺に数多くの末寺を擁していた他、領家光音寺、朝日薬林寺の薬師と併せて当地周辺の三薬師と呼ばれていました。
慈林寺は通称「慈林薬師」とも呼ばれ、古くから眼病平癒の信仰を集めてきました。御縁日(毎月8日)には護摩修行が行われ特に初薬師(1月8日)と大祭(5月8日)には多くの僧侶と参拝者が列座して盛大に行われます。

慈林寺(宝厳院)関連年表
伝承創建
伝承創建
国分寺建立の詔
国分寺建立の詔
伝承再興
伝承再興
伝承寺領拝領
伝承寺領拝領
参考近隣の光音寺再建
参考近隣の光音寺再建
脇侍(日光・月光菩薩)造立
脇侍(日光・月光菩薩)造立
参考近隣の薬林寺再建
参考近隣の薬林寺再建
幕府より御朱印30石拝領解説あり
幕府より御朱印30石拝領解説
仁王門建立(一説)
仁王門建立(一説)
『慈林寺縁起』成立
『慈林寺縁起』成立
仁王門再建(現存)
仁王門再建(現存)
文化財指定、本堂再建
文化財指定、本堂再建
文化と地域との関わり
慈林寺の文化財は、何世代にもわたる人々の祈りが結晶となって積み重なった「地層」のようです。
仁王門という目に見える歴史の証(あかし)から、
1200年以上受け継がれてきた目に見えない信仰の伏流水まで、
ここには武蔵国の豊かな時の流れが今も鮮やかに息づいています。
歴史を伝える二つの文化財
仁王門(山門)
江戸時代に建立された当寺現存最古の建造物。数百年の風雪に耐えた重厚な佇まいで、参拝者を迎えます。
道中の安全と健脚を祈願して奉納されたもので、街道の重要な「祈りの場」としての歴史を今に伝えています。
薬師堂仏像群
本尊の薬師如来坐像をはじめ、脇侍である日光・月光菩薩像など、薬師堂に安置されている仏像群が一括して市の有形文化財に指定されています。 これらは当山の長い信仰の歴史のみならず、地域に残る貴重な仏教美術として高い価値が認められています。
国家的な格式を物語る
「三勅願寺」の伝承
慈林寺は、以下の三代の天皇から勅願(天皇が国家安泰や自身の祈願のために命じて行わせる祈祷)を受けたとされ、「三勅願寺」という極めて高い格式を誇ります。
- 聖武天皇(在位724-749年):創建と光明皇后の平癒祈願。
- 文徳天皇(在位850-858年):寺院の再興に関与。
- 清和天皇(在位858-876年):寺領の拝領。
文徳・清和天皇の時代は、平安時代前期にあたり、仏教が密教化していく過程と重なります。この時期に再興や寺領寄進を受けたという記録は、慈林寺が古代において、武蔵国足立郡における皇室勢力の精神的支柱として機能していた可能性を示唆しています。
特に清和源氏の祖である清和天皇の名が見えることは、後の武家政権下での存続にも有利に働いた可能性があります。
江戸時代には徳川幕府より寺領30石の御朱印状を拝領。現在の「安行慈林」という地名そのものが当寺に由来しており、地域に根付いた歴史の深さを物語っています。
メディア・ロケ地情報
時代を超えて受け継がれる風景は、現代の映像作品にも彩りを添えています。 川口市を舞台にした映画『君が走りだすとき』のロケ地として當山が登場。 地域の風景の一部として、スクリーンの中でもその姿をご覧いただけます。
川口市の市制施行85周年を記念して製作された市民参加型の長編映画です。

教えと信仰
真言宗智山派は、弘法大師空海を宗祖とする真言宗の一派です。 大日如来を本尊とし、身・口・意の三密による修行を通じて、即身成仏を目指す教えを説いています。
ご本尊・薬師如来と眼病平癒の伝説
薬師如来は、病気を治し、心身の健康を守護する仏様として広く信仰されています。 当山は、天平13年(741年)に聖武天皇の勅願を受けた行基菩薩によって開山されたと伝えられています。 その開創は、光明皇后の眼病平癒を祈願したものであり、この伝承が当山を「眼病に霊験あらたかな薬師様」として今に伝える信仰の根源となりました。
秘仏・薬師如来と慈覚大師の技
薬師堂に安置されている本尊・薬師如来は、天台宗の第三代座主である慈覚大師円仁の作と伝えられる秘仏です。 一彫りごとに三度礼拝する「一刀三礼(いっとうさんらい)」の祈りを込めて彫り上げられたとされ、平時は厨子の奥深くで地域を見守り続ける、当山の信仰の中核をなす存在です。
※行基菩薩の作という説話とともに、大師の妙技によるものとしても信仰を集めています。


境内にある「龍灯の池」には、かつて龍が薬師如来に光を捧げたという伝説があり、その水は眼病を治す御神水とされていました。 江戸時代の庶民にとって、失明の恐怖に立ち向かうための「地域医療」の拠り所となっていたのです。
護摩修行
護摩とは、火を焚いて諸仏を供養し、煩悩を焼き尽くす真言密教の修法です。 当山では、毎月8日の縁日や大祭において護摩供を勤修し、皆様の願いを仏様にお届けしています。 炎が天に昇るように、皆様の願いも成就へ向かうよう祈念いたします。



主な祈願内容(願い事)
これらの願いを護摩札に託し、お焚き上げいたします。
護摩祈祷のお申し込み仁王さまの股くぐり
勇気を出して、仁王さまの足の間をくぐり抜けよう!
古くから伝わる、お子様の健やかな成長を願う伝統行事です。
当山では主に子供花まつりや七五三で開催しています。
儀式の由来
この儀式は、参拝者が仁王門に安置された金剛力士像の股の間をくぐり抜けるもので、無病息災や身体健全、特に小児の成長や麻疹(はしか)除けなどを願う通過儀礼的な性格を持っています。
仁王(金剛力士)は仏法を守護する強力な神であり、その股下という「結界の内部」を通過することで、強力な生命力や破邪の力を授かるといわれています。


仁王さまにご挨拶
「わあ、おっきいなあ!」
お寺の門を守る仁王さまを見上げて、その大きさにびっくり。 でも大丈夫、仁王さまは悪いものを追い払ってくれる正義の味方だよ。
ドキドキの挑戦
「よし、いくぞ…!」
仁王さまの足の間は、こどもたちだけの特別な通り道。 勇気を出して、一歩踏み出そう。
一生懸命くぐる
「よいしょ、よいしょ」
お父さん、お母さんが見守る中、小さな体で一生懸命くぐります。 仁王さまの力が、体にみなぎってくるよ。
元気いっぱい!
「やったー!できたよ!」
くぐり抜けたその顔は、とびきりの笑顔。 これで病気になんて負けない、強くて元気な子になれるね!
※ どなたでもご参加いただけます。ぜひお子様といらしてください。
地域と共に歩む
祈りの場として
日々のお参りや法要を通じて、皆様の心の平安と幸福をお祈りしています。
仏教文化の継承
1200年以上受け継がれてきた仏教の教えと文化を、次世代へと伝えてまいります。
地域のつながり
年間行事や寺だより「慈光」の発行を通じて、地域の皆様との絆を大切にしています。